自分で増やそう、老後の私的年金!
現役時代からスタート!
初めてのiDeCoセミナー開催

iDecCoセミナーの魅力

 今、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」が注目を集めています。iDeCoとは、公的年金にプラスして自分で積立・運用・受け取りができる私的年金のこと。今年1月の制度変更で加入対象者が拡大され、基本的に20歳以上60歳未満のすべての人が加入できるようになりました。税制上のメリットも多いiDeCoを学び、現役世代から老後の資金計画について考えるセミナーが開催されました。

基調講演現役世代から考える
老後資産形成

エコノミスト/
BRICs経済研究所代表
門倉 貴史 氏

若者が望む老後の生活費 1カ月36万6千円

 2060年の日本の男女の平均寿命は、国立社会保障人口問題研究所の予測によると男性が約84歳、女性は約91歳といわれています。経済の面から見て、長生きをすると老後の生活費をどのように確保するかという課題が浮かび上がります。そこで、仮に寿命を90歳と設定し、60歳で会社を退職される方がその時点でどれくらいの資産を持っていれば、老後にゆとりある生活を送っていけるかをシミュレーションしてみます。

 現在の平均的な高齢者無職世帯、夫65歳以上、妻60歳以上の世帯を例に2016年の1カ月あたりの収支動向を見ると、支出が毎月約26万8千円、年金収入が毎月約21万3千円です。支出が収入を若干上回り、毎月約5万5千円の赤字となります。

 これを前提に、60歳時点で必要な金融資産を逆算してみます。現在の年金支給開始年齢は65歳からなので、まず5年間の無年金期間の生活費、約26万8千円×12カ月×5年分の約1600万円分が必要になります。年金が支給開始になってから90歳までの期間は、毎月の赤字約5万5千円×12カ月×25年分の約1650万円が必要です。さらに、病気や介護など、もしもの時の備えとして300万円を計上すると、合計約3550万円が60歳時点で必要な貯金額となります。ただ、今の現役世代の方にアンケート調査を行った結果によると、60歳で退職したあと夫婦2人でゆとりある生活を送っていくために毎月どれくらい支出したいかという質問に対し、理想としては36万6千円と回答しており、かなり贅沢な希望を持っていることがわかります。

月々少額で老後の安心を
若い世代に最適な制度

 老後の年金以外の収入を確保するにあたり、現実的な方法は投資による資産運用です。アベノミクス政策の継続を前提とすると、日本経済は2018年度の終わりまでにデフレ経済からインフレ経済に転換すると予測されます。インフレの時代にはリスク資産に投資をしていくことが必要になります。たとえば、インフレに非常に強いといわれる株式投資や不動産投資です。ご自身のリスクが取れる範囲で、株式、現金・預金、不動産にバランスよく資産を分散し、最適なポートフォリオを構築するのが老後の資産形成としては理想的です。比較的若い世代の方は、毎月少額の積み立てで安心して資産運用ができる「iDeCo(イデコ)」制度が適していると思います。

パネルディスカッションはじめてのiDeCo
(イデコ)

パネリスト
エコノミスト/BRICs経済研究所代表門倉 貴史氏
株式会社大和総研 金融調査部 研究員佐川 あぐり氏
大和証券株式会社 確定拠出年金ビジネス部長松村 健一氏
株式会社大和総研
金融調査部 研究員
佐川 あぐり 氏
大和証券株式会社
確定拠出年金ビジネス部長
松村 健一 氏
司会
フリーアナウンサー
浜田 節子 氏

自分で作る年金iDeCo 無年金期間の備えにも

浜田 今、「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる個人型確定拠出年金制度が注目を集めています。iDeCoとはどのような制度でしょうか。

佐川 iDeCoは自分で作る年金といえます。日本の年金制度は国民年金や厚生年金保険などの公的年金と、私的年金の2つに分類され、iDeCoは私的年金に位置づけられます。3段階で税制優遇を受けられるiDeCoは高い節税効果があります。また、原則として60歳以降に支給されるので、公的年金が支給される65歳までの5年間の無年金期間の備えになります。

浜田 iDeCoは自分のお金を自分でマネジメントする際に役立つ制度ということですね。

門倉 たとえば27歳でiDeCoに加入して毎月の積立金を2万円に設定した場合、60歳まで33年間の積立金は約800万円になります。それを年3%で運用すると、約1350万円まで増やすことができます。しかもiDeCoは税制優遇を受けられるので、働く世代にとってはメリットが大きいと思います。

浜田 お客さまからの問い合わせも増えていますか。 松村 当社でも問い合わせが増加し、資料請求も大幅に増えています。若い世代の方の関心が高いだけでなく、子供に教えてあげたいという親の方からの問い合わせもあります。iDeCoの加入者数は5月末では約50万人を突破し、この1年で倍増しています。

資産運用がポイント まずは積極的に情報収集

浜田 iDeCoの利用方法について教えていただけますか。

佐川 まずは金融機関で申込をして加入します。そして掛金を拠出する、つまり定期的に決まった金額を積み立てていきます。次にそのお金を運用していきます。この積み立てと運用を続けていき、60歳になったら資産を受け取るという流れになります。大きなポイントとなるのは資産運用です。iDeCoは、自分で商品を選択して運用していくという仕組みになっています。運用次第で資産が増減しますので、まずは知識を身に付けて上手に運用することが重要です。

浜田 iDeCoの運用では何に気を付けたらいいでしょうか。

松村 「長期」「積み立て」「分散」の3つがポイントです。iDeCoに加入すると毎月「積み立て」て「長期」運用することは自動的にできるので、皆さんには資産の「分散」をしていただくことになります。どの資産にいくら配分するのかということや、目標金額などを決めて自分にあった商品を選んでいただきたいと思います。

浜田 iDeCoはどれくらいの金額利用できるのでしょうか。また、いつから受け取れるのでしょうか。

佐川 月々積立できる限度額は、たとえば公務員の方は月1万2千円まで、専業主婦(夫)の方は月2万3千円までなど加入者のご職業等によって異なります。会社員の方の場合、お勤め先の企業年金により金額が異なりますので確認が必要です。受け取りについては原則として60歳以降で、一時金や年金で受け取ることができます。

浜田 iDeCoの税制優遇についてご説明いただけますか。

佐川 iDeCoは3段階で税制優遇があります。まず1段階目がお金を積み立てるとき。掛金が全額、所得控除の対象になります。そして2段階目が運用しているとき。運用益は非課税なため、再投資ができ複利効果も得られます。そして3段階目が受け取るとき。一時金で受け取るときは退職所得控除、年金で受け取るときは公的年金等控除があります。このように、それぞれの段階で税制の優遇措置があります。

浜田 資産運用というと、初めての方は身構えてしまうことも多いのではないでしょうか。

松村 〝資産運用〟と聞くとやったことがなくてよくわからない、だから預金にお金を置いたままにする方が多いのではないでしょうか。また、老後は不安であるが、自分で確保したい具体的な目標金額を立てている方は少ないと感じます。
 曖昧な知識のまま、不安ばかりは募るが、具体的な行動にはつながらない、というお声はよく伺います。まずは、今日参加されている皆さんのように前向きに知識を習得し、そして何ごとも具体化することが大切です。
 すぐにできることとして、誕生月に来るねんきん定期便をみて、自身が将来、受け取れる公的年金の見込金額を確認することをおすすめします。また、iDeCoの申込には必ず基礎年金番号が必要です。お勤め先の担当部署に問い合わせるなど何事も具体的な行動につなげていくのが大切です。大和証券では店舗でもお問い合わせにお答えしています。お気軽にいらっしゃってください。

門倉 iDeCoをはじめ新しい制度や金融商品が出てきています。お金に関する知識がどれだけあるかによって、老後の蓄えや老後の生活に違いが出てくるでしょう。待っていてもお金に関する知識は誰も教えてくれませんので、自分から積極的に知識を身に付けることがとても重要です。このセミナーをきっかけに、老後の資産形成の一歩を歩み出してみてはいかがでしょうか。

浜田 自分で足を運んで情報収集するということも、知識の蓄積には有効ということですね。ぜひ皆様、将来への準備を早くからおこなっていただければと思います。